コーヒーによる頭痛とは？

コーヒーに含まれる カフェイン は、適量なら頭痛を和らげることがありますが、摂取量や習慣によっては 頭痛を引き起こす原因 になることがあります。
ICHD-3（国際頭痛分類第3版）では、カフェイン関連の頭痛は 薬物乱用頭痛 や 二次性頭痛 に分類されることがあります。

📌 ICHD-3におけるカフェインによる頭痛の分類

ICHD-3分類	主な原因	特徴
8.2.4 カフェイン離脱性頭痛 (Caffeine withdrawal headache)	カフェインの急な摂取中止	禁断症状の一環として発生し、約24時間以内に発症
8.2.5 カフェイン過剰摂取性頭痛 (Headache attributed to excessive caffeine use)	1日400mg以上のカフェイン摂取	頭全体の鈍痛や片頭痛様の痛み
1.1 片頭痛 (Migraine)	カフェイン摂取量の変動	片頭痛発作の誘因となることがある

👉 カフェインの摂取量や習慣が頭痛の要因になるため、適切なコントロールが重要！

🔍 コーヒーが原因の頭痛かも？セルフチェック

✅ コーヒーを飲まないと頭が痛くなる（カフェイン離脱性頭痛の可能性）
✅ 1日3杯以上のコーヒーを飲んでいて、頭痛が頻繁に起こる（過剰摂取の可能性）
✅ コーヒーを飲んだ後にズキズキする頭痛が出る（片頭痛の誘発要因の可能性）
✅ 週に15日以上の頭痛があり、カフェイン摂取で一時的に改善する（薬物乱用頭痛の可能性）

🚨 以下の場合は、「危険な頭痛」の可能性があります！

👉 「危険な頭痛とは？」
✅ 突然の激しい頭痛（くも膜下出血の可能性）
✅ ろれつが回らない、手足の麻痺（脳卒中の可能性）
✅ 意識の低下・高熱（髄膜炎の可能性）

🎯 コーヒーによる頭痛の原因

カフェインによる頭痛のメカニズムは、摂取量や習慣に大きく影響されます。

📌 主な原因
❌ カフェイン離脱 → 長期間のカフェイン摂取後、急に飲まないと頭痛が発生（24～48時間以内）
❌ カフェイン過剰摂取 → 1日400mg以上のカフェインを摂取すると頭痛のリスクが上昇
❌ カフェイン依存 → 継続的な摂取で体がカフェインを必要とする状態になり、摂取不足で頭痛が発生
❌ 血管の収縮と拡張 → カフェインは一時的に血管を収縮させるが、作用が切れると血管が拡張し、頭痛を引き起こすことがある

💊 コーヒーによる頭痛の治療（薬・非薬物療法）

🏥 病院で処方される治療

頭痛の種類	推奨薬	補足
カフェイン離脱性頭痛	NSAIDs（ロキソプロフェン）	痛みの軽減
カフェイン過剰摂取性頭痛	漸減療法（徐々にカフェインを減らす）	急激なカフェイン断ちは禁物
片頭痛	トリプタン系薬（スマトリプタン）	片頭痛の発作時に使用

🚨 ⚠ 「頭痛＝痛み止め」ではなく、根本原因に応じた治療が必要！

📖 参考文献（エビデンス）

ICHD-3（International Classification of Headache Disorders, 3rd Edition）
日本頭痛学会. 「慢性頭痛の診療ガイドライン2021」
Ebell MH et al. "Diagnosis and Management of Headaches" JAMA, 2022.