吐き気を伴う頭痛とは?
吐き気を伴う頭痛は、片頭痛、髄膜炎、高血圧性頭痛、薬剤の使用過多による頭痛などが原因となることが多い です。
特に 片頭痛は吐き気や嘔吐を伴うことが多く、重症化すると嘔吐に至ることもあります。
また、髄膜炎や脳出血などの危険な頭痛の可能性もあるため、適切な診断が重要です。
📌 ICHD-3における吐き気を伴う頭痛の分類
ICHD-3分類 | 主な原因 | 特徴 |
---|---|---|
1.1 片頭痛(Migraine) | 血管の拡張・神経の過敏性 | 吐き気・嘔吐、ズキズキした痛み、光・音に敏感 |
1.2.1 薬剤の使用過多による頭痛(Medication-overuse headache) | 鎮痛薬の過剰使用 | 頭痛が慢性化、薬が効かない |
9.2 高血圧性頭痛(Hypertensive headache) | 血圧の急上昇 | 頭全体がズキズキする、吐き気、視界のぼやけ |
7.1 髄膜炎による頭痛(Headache attributed to meningitis) | 髄膜の炎症 | 高熱、首のこわばり、意識の低下 |
6.2 くも膜下出血による頭痛(Headache attributed to subarachnoid hemorrhage) | 動脈瘤破裂 | 突然の激痛、吐き気、意識障害 |
👉 吐き気を伴う頭痛の原因は片頭痛が多いが、危険な疾患にも注意が必要!
🔍 吐き気を伴う頭痛かも?セルフチェック
✅ ズキズキとした拍動性の痛みがあり、光や音がつらい(片頭痛の可能性)
✅ 長期間、鎮痛薬を使い続けているが、頭痛が悪化(薬剤使用過多の可能性)
✅ 血圧が高く、頭痛と吐き気が同時にある(高血圧性頭痛の可能性)
✅ 発熱と首のこわばりを伴う(髄膜炎の可能性)
✅ 突然の激しい頭痛と嘔吐がある(くも膜下出血の可能性)
🚨 以下の場合は、「危険な頭痛」の可能性があります!
👉 「危険な頭痛とは?」
✅ 突然の激しい痛み(くも膜下出血の可能性)
✅ 意識がもうろうとする、けいれんがある(脳出血の可能性)
✅ 視界がぼやける、ろれつが回らない(脳卒中の可能性)
🎯 吐き気を伴う頭痛の原因
吐き気と頭痛が同時に起こる原因はさまざまですが、主に以下の要因が関係しています。
📌 主な原因
❌ 片頭痛 → ズキズキする痛み、吐き気、光・音に敏感
❌ 薬剤の使用過多による頭痛 → 鎮痛薬の長期使用による頭痛悪化
❌ 高血圧 → 血圧が急上昇し、頭痛・吐き気・視界のぼやけを伴う
❌ 髄膜炎 → 高熱、首のこわばり、嘔吐、意識障害を伴う
❌ くも膜下出血 → 突然の激痛、嘔吐、意識障害
👉 「吐き気の強さ」や「頭痛の発生パターン」で原因を特定しやすい!
💊 吐き気を伴う頭痛の治療(薬・非薬物療法)
🏥 病院で処方される治療
頭痛の種類 | 推奨薬・治療法 | 補足 |
---|---|---|
片頭痛 | トリプタン系薬(スマトリプタン)+ 制吐薬(ドンペリドン) | 吐き気が強い場合は制吐薬を併用 |
薬剤使用過多頭痛 | 鎮痛薬の中止、頭痛専門医の診察 | 徐々に薬を減らす必要あり |
高血圧性頭痛 | 降圧薬(カルシウム拮抗薬・β遮断薬) | 血圧管理が重要 |
髄膜炎 | 抗生物質(細菌性の場合)・抗ウイルス薬 | 早急な治療が必要 |
くも膜下出血 | 緊急手術(動脈瘤クリッピング術・コイル塞栓術) | 命に関わるため即時対応が必要 |
🚨 ⚠ 「頭痛=痛み止め」ではなく、根本原因に応じた治療が必要!
🌿 薬なしでできる対処法
✔ 静かな暗い部屋で安静にする(片頭痛の緩和)
✔ カフェインを適度に摂取(片頭痛の初期に有効な場合あり)
✔ 水分補給をしっかり行い、脱水を防ぐ
✔ 長期間の鎮痛薬の使用を避ける(薬剤性頭痛の予防)
🚨 「症状が続く」「市販薬で治らない」場合は、医療機関を受診!
📖 参考文献(エビデンス)
- ICHD-3(International Classification of Headache Disorders, 3rd Edition)
- 公式サイト
-
各種頭痛の分類を確認可能
-
日本頭痛学会. 「慢性頭痛の診療ガイドライン2021」
-
Goadsby PJ et al. "Migraine: Pathophysiology and Treatment" Lancet Neurology, 2021.
- 片頭痛の最新治療(トリプタン・CGRP受容体拮抗薬)について
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